海の底から

備忘録

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 生きることは変わることだと
 少女は決然と答えた

 学ぶことは変わることだと
 壮年の男は静かに語った

 人は変われないものなんだと
 おじいさんは寂しく笑った

 旅人は 彼らの言葉を反芻し 考えた
 僕は 生きているから 歩いてゆけるのだと

 日照りの日も 嵐の日もあった
 迷い つまづき 疲れ 逃げたこともあった

 それでも 前に進むのをやめなかった 
 道の先に 何があるか分からないから 旅は面白い

 旅人は この素晴らしい発見に 思わず微笑んだ
 しかし 誰にも出会わなかったので 誰にも語らず歩き続けた
 
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  1. 2016/07/11(月) 20:16:02|
  2. 創作
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薄明

   「薄明」

二十日月が西へ傾く頃
あてもなく歩いていた

翅がぼろぼろのモンシロチョウが横ぎった
家に入れてもらえない白猫が鳴いた

枯れた花の前を通り過ぎ
救急車のサイレンを遠くに聞いた

匂う汚水に回り道し
飛び去るツバメを見送った

みんな いってしまった
星とともに消えてしまった

私は読み止しの本を抱えたまま
太陽を背に歩き続ける

宿り木はいつか見つかるだろうか


(早朝散歩の途中、白い月を仰ぎ見てたら浮かんだ詩。 未明の死、薄明の生。 今日は十八夜ですが、好きな二十日に変えました)


   「ある日」

ある日
頭の上にのっかっていた
大きな石が落っこちた

軽くなった体は
きゅくつなベルトを引きちぎり
かたくるしいネクタイをふりほどいた

思いっきり深呼吸して
澄んだ空気で肺を満たした
すきな服を着て歩くのはすてきだ

なくなって初めて気づいた
私を縛り付けていたものが何か
私を押さえつけていた人は誰か

足もとの石をけっとばすと
近くの川へ転がり落ちた
流れ 磨かれ まあるくなあれ


(何も気にせず書こうと思ったある日の気分を詩にしました。 でもなぜそう思ったのかは分かりません。 風が吹いたのでしょうか)
 

テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

  1. 2013/09/22(日) 23:55:55|
  2. 創作
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雨雲

   「雨雲」

雨雲が近づいてくる
鳥は巣へ帰ろうとしている

両ひざの間に顔をうずめて じっとしていた
堅く結んだ口からは うめき声すらでなかった
垂れこめた雲の下 花咲き乱れる草の上
しめった空気 甘くむせるような香りが漂う

一陣の風が 僕の耳を打つ 行けと叫ぶ
憂うつな心と 重い足をひきずって 立ち上がる
僕は 夕闇を背に 歩き出す
迎える者などいない あの古い家に向かって

雨雲が近づいてくる
鳥は巣へ帰ろうとしている
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テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

  1. 2013/06/17(月) 06:09:16|
  2. 創作
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2012年3月の歌

みんなから愛されようといい子ぶるよりワガママに愛してみたい

暗号を読み解くように君のこと 解き明かしたい吾は探偵なり

ピリオドを打つ前にプツリ途絶えた恋 想いはさまよう風鳴りの丘

君のいない毎日愛と引きかえに 有り余る時間これが自由か

とりたててすることの無い日曜日 冬越し水仙花壇に植える

湯気の中くもりガラスになぞりゆく 名画は雫となりて流れる

振り返り取り返せない過去を見た それでも進む暗き旅路を

日に焼けて皺刻まれし荒れた手は 働き者の愛すべき手ぞ

瑞々しい今がたやすく思い出に 変わりゆく春別れの季節

鮮やかな若葉のごとき女学生 ベリーロールで飛んでゆけ春
 

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/03/29(木) 00:17:21|
  2. 創作
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心がけ

   心がけ

聞く時 心がけることは 想像する ということ
ことばには 深い意味があるから

話す時 心がけることは 思いやる ということ
ことばの力は とても強いから

読む時 心がけることは 繰り返す ということ
ことばの真意は 文章の裏にあるから

書く時 心がけることは 分かりやすく ということ
ことばは 受け身な存在だから

そして1番肝心なこと
本当に伝えたいことは てみじかに



   早春

眠りから覚めた種が 一斉に芽吹く
少女たちは 髪を風になびかせ 覚えたての詩を口ずさむ
少年たちは 子犬のように じゃれあい遊び回っている
雨は降るごとに あたたかさを増し
虫を追う鳥たちは 陽気にさえずりを交わす
明日晴れたら 部屋の窓を明けて お散歩に行こう



足下の 小さき双葉 見下ろせば 太陽見上げ 花の夢見る
(3/5 啓蟄の日に)



(3/10 加筆、修正)
 

テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/03/05(月) 23:18:51|
  2. 創作
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