海の底から

備忘録

床下の小人たち

 『床下の小人たち』
 メアリー・ノートン 著 林容吉 訳
      岩波書店 1969年出版

 原作 『THE BORROWERS』 by Mary Norton
            Illustrated by Diana Stanley
                    1952年 出版

 ------ あ ら す じ ------

 アリエッティは、古い家の台所の下に隠れ住む、小人の少女。
 外の世界に憧れる、好奇心旺盛な女の子です。
 生活に必要なものは、人間から借りて、暮らしています。

 アリエッティが、お父さんに連れられ、初めて借りに出かけた時、その家の男の子に、姿を見られてしまいます。

 9歳の大きな男の子と、14歳の小さなアリエッティに、不思議な友情が芽生えます。

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 ガリバー旅行記の小人国や、日本の一寸法師、コロボックルなど、小人を題材にしたお話は、世界中にあります。
 それを、より現実的に書いたのが、本作でしょう。
 身近な道具を、小人の目で見たら、どんな風になるか、その描写が楽しいのです。

 裁縫道具の指ぬきは、お鍋に。
 マッチ箱は、タンスに。
 食べ物も、石炭も、ひとかけらで充分。
 不況もへっちゃらの、超節約家族です。(笑)

 人間の男の子と、小人の女の子の交流も、楽しい。
 病気で、やむなく古い家に来た男の子は、きっと寂しかったのでしょう。
 だから、草の下に小人を見つけても、驚かなかったばかりか、すぐに仲良くなれたのでしょう。

 アリエッティのリアクションも、素晴らしい。
 人間は、小人に物を貸してくれる存在なのですから、おびえたりはしません。
 それに、小さくてもお姉さんですから、本を読んであげることも出来ます。
 両親に、人間に気をつけるよう言われても、アリエッティは気にせず、どんどん男の子と仲良くします。

 ところが、というか、やはり、というか、小人は悪意ある人間に見つかってしまい…。
 あとは、読んでのお楽しみ。
 小人がいるかどうか、信じる信じないは、読者の自由。
 自分の家に、人間以外の何かが「いる」と想像するのは、とても愉快です。

 いくら探しても、物が見つからない時は、小人に借りていかれたと思って、笑って許すことにします。
 豆本がなくなったら、読書好きの小人が持って行ったんですよ、きっと。

------------ 追 記 ------------

 この作品は、『借りぐらしのアリエッティ』として、今夏公開されます。 スタジオジブリ制作。
 場所を英国から日本に移して、さらにパワーアップした、アリエッティの活躍が見られそうです。
 とても、楽しみです!!!!
 

テーマ:児童文学 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2010/01/18(月) 19:09:35|
  2. 本&漫画
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