海の底から

備忘録

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『獣の奏者 外伝 刹那』 感想

獣の奏者 外伝 刹那獣の奏者 外伝 刹那
(2010/09/04)
上橋 菜穂子

商品詳細を見る


【内容】

 王獣と心を通わせるエリンは、数奇な運命に抗いながら、生きました。
 本編では、絶大な強さを誇る獣・闘蛇と、巨大な鳥・王獣の謎を絡めながら、国内外の覇権争いが描かれました。
 そこでは語られなかった、エリンの恋物語「刹那」。

 他に、エリンの師・エサルの、隠れた恋物語「秘め事」と、エリンの息子・ジェシの微笑ましい成長譚「初めての……」が書かれた、外伝です。
 
 

 本編は、戦にまつわる血なまぐさいシリアス展開が続くので、恋物話が外伝で書かれたことには、納得です。
 よくぞ書いてくれました。 ファンには堪えられない喜びです。

 恋をした時の、甘酸っぱくてもどかしい気持ち、身体の中に魔物が巣くっているような激しさ…そういう情熱的な思いを、ストレートに表現していて、とても共感しました。

 エリンとイアルが初めて結ばれた後の、言いようのない孤独感とか。
 むき出しの怒り、哀しみが、言葉の刃となって、額に突き刺さる感じ。

 まるで実際に見てきたように、しかも読者によく伝わるように書いてあります。
 作家というのは、恐ろしい生き物だな。
 人間に対する洞察力が、ハンパないです。


 白状すると、今までは自分を含め、男女の恋愛にあまり重きを置いていませんでした。
 惚れたはれたより大事なことが、人生には沢山あるだろう…と、冷めた目で周りを見ていました。

 もし10代の頃「秘め事」を読んでいたら、エサル、不倫なんて不潔!とか青臭いこといって、敬遠していたでしょう。
 でも、そうじゃないんですよね。

 身分差別による軋轢は、個人ではどうにもならないもの。
 自分の心だって、どうにもならないもの。
 若き日のエサルが負った、身分違いで結ばれなかった恋の痛みは、私なんかには想像も出来ないほど激烈でした。

 実は、1番共感したのが「秘め事」でした。
 私も、エサルと同じ、老婆に近い心境なのかも知れません。(笑)


  わずか11ページの短編「初めての……」にも、ホロリとしました。
 ジェシの乳離れを通して描かれた、エリンたち家族の仲睦まじさ。
 家族を大切にするってどういうことか、深く身に沁みました。


 時間というのは不思議なものです。
 時計で測る時間は変わらないのに、心的時間はその過ごし方によって、感じ方が変わります。

 エリンは、様々な思いを抱えながら、恋をして、子を産み、育てました。
 彼女がいろんな体験をして、充実した日々を過ごしていたことを知り、とても嬉しいです。
 イアルも言ってたけど、今やれることを、悩みながらやるしかない、ですよね。

 エリンとイアルのような恋は、一途でいいなぁと素直に思います。
 

テーマ:図書館で借りた本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2010/11/18(木) 13:33:56|
  2. 本&漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<名古屋グランパス Jリーグ初優勝! | ホーム | 『君に届け』 別マ12月号感想>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://umi88.blog54.fc2.com/tb.php/1171-4fc7b603
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

藍田海

Author:藍田海
・ Twitter

最近の記事

カテゴリー

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。