海の底から

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水仙

 冬に咲く日本水仙は、冷たい空気の中にシャキッとした立ち姿で、寒い季節を明るくしてくれます。
 水仙といえば、こんなギリシャ神話がありましたね。
 
 
【花の神話 水ぎわのナルキッソス】

--ギリシャは岩山の多いやせた国で、花の咲き乱れた野原などは、あまりない。
 そのせいかギリシャ人は、とても野の花を愛して、花を主人公にした神話を、幾つか生み出している。--


 ナルキッソスは、大変美しい青年だった。
 どんな娘も、彼に心動かさずにはいられない。
 だがうぬぼれ屋の彼は、どんな美少女にも見向きもしない。

 森のニンフ(妖精)・エコーが、ナルキッソスに恋をした。
 あんまり彼に夢中になってしまった為、主人の女神・ヘラの怒りを買う。
 女神が、浮気者の夫・ゼウスの行方を尋ねた時、ちゃんとした返事をせず、余計なおしゃべりばかりしたからだ。

「これからは、余計なおしゃべりが出来ないよう、相手の言葉の終わりの文句しか、言えないようにしてやる」

 エコーは、自由に口が聞けなくなってしまったため、ナルキッソスに話しかけることが出来ない。
 彼の言葉を繰り返すだけのエコーに、ナルキッソスは呆れ、しまいに怒りだした。

 ナルキッソスに嫌われたエコーは、悲しみと恥ずかしさのあまり、洞穴に身を隠してしまった。
 穴の中に閉じこもったきり、悲しみに沈むエコーは、どんどん体がやせ細り、とうとう声だけになってしまったという。

 人を愛そうとはせず、相手の気持ちを目茶目茶にするナルキッソス。
 とうとう復讐を司どる神・ネメシスが怒った。

「人を愛そうとはしない者は、自分自身を愛するがいい」

 泉の水を飲もうとしたナルキッソスは、水に映った自分の影に、たちまち惹きつけられた。

「ああ、人を愛するのがどんなに苦しいか、初めて分かった。
 それなのに、あの美しい姿をつかまえることが出来ない。
 ここを立ち去ることも出来ない。
 死だけが僕の苦しみを、しずめてくれるだろう」

 やせ細ったエコーが洞穴から現れ、ナルキッソスのそばに来た。
 そして、泉のそばに倒れたナルキッソスの、最期の一言を、悲しい声で繰り返した。

「美しい人よ、さようなら……」
「さようなら……」

 ニンフたちが、ナルキッソスを葬ってやろうとすると、屍はなく、見たこともない美しい花が咲いていた。
 それが、ナルキッソスの花(英・ナーシサス…水仙)である。


 別バージョンでは、愛と美の女神・アフロディテが、ナルキッソスに復讐をする。
 女神は、エコーと同じ苦しみを与えようと、報いられることのない恋を、彼に仕向ける。
 そうして彼は、水面の自分の姿にお辞儀をするのが好きな、黄と白の花になった。

 ギリシャ語で「麻酔」の意味から、花の名が付いたという説もある。
 「ナルシスト」の語源。


…参考文献…
『ギリシャ神話』 山室静 著 現代教養文庫
『ギリシャ神話 神々と英雄たち』 B・エブスリン 著 三浦朱門 訳 現代教養文庫

 -・-・-・-・-・-

 水仙が、美青年の化身かもしれないという想像は、そそられますねえ。フフフ…。
 ギリシャ神話との出会いは、『風の谷のナウシカ』でした。
 「ナウシカ」が、ギリシャ神話に登場するお姫さまの名前と知り、いろいろなギリシャ神話の本を読みましたっけ。

 神話から名付けられた花や星も、たくさんあるんですね。
 ひとつのお話に、諸説いろいろあるので、比較したり、好きに解釈出来るのが楽しいです。
 

テーマ:日記 - ジャンル:日記

  1. 2011/01/24(月) 22:30:57|
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