海の底から

備忘録

映画『コクリコ坂から』

【あらすじ】

 舞台は、東京オリンピックを目前に控えた1963年(昭和38年)の横浜。

 松崎海は、高校二年生。
 船乗りの父を海で亡くし、仕事で忙しい母を助けるため、コクリコ荘の下宿人と家族の面倒をみている。

 風間俊は、高校三年生。
 文藝部部長で、旧校舎・通称“カルチェラタン”を守ろうと、校内新聞を発行し、存続を訴えている。

 ある日、カルチェラタンの取り壊しに抗議するため、俊は学校の屋根から飛び降りる。
 現場に居合わせた海は、防火水槽に落ちた俊を助ける。

 ぶっきらぼうだが、信念を持って行動している俊に、海は惹かれてゆく。
 しかし、二人の間には、出生にまつわる秘密があった……。

(以下、ネタバレ感想)
 
 
【感想】

 昨日『コクリコ坂から』を観てきました。
 冒頭、軽快なパーカッションが鳴り響く「朝ごはんの唄」で、すっかり映画のペースにはまり、「さよならの夏~コクリコ坂から~」を聴きながら、ハッピーエンドに浸りました。
 海の家に咲いてるコクリコ(ひなげし)の花が、色鮮やかでとっても綺麗でした。

 原作を読んでから観たので、その違いにビックリしました。
 下宿人の北斗さんが、男から女に変わっていたのが、1番驚きました。
 海の初恋は、映画でやるヒマがなかったのね。 おかげで、メルの由来を語るエピソードが、端折られていました。
(海のあだ名は、北斗さんが命名。 フランス語の海=ラ メールが、縮んでメルになった)

 詩を書いた人の名を、「who」から「風」にしたアイデアは、なるほどと膝を打ってしまいました。
 その方がダイレクトで、判りやすいですから。

 俊が抗議活動をする動機も、制服自由化から、校舎存続に変わっていました。

「古いものを壊すことは、過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!?」

と訴える俊のメッセージは、そのまま映画のメッセージにもなりますね。
 物語後半の、二人の出生の秘密=過去を辿る行動原理にもなりました。

 昨日があるから、今日があり、明日へと続く。
 当たり前の毎日が、どんなに多くの人たちに支えられているかを、海と俊は知るのです。

 大人たちが、海や俊を、子どもと侮らないのが素晴らしいです。(校長は別)
 子どもたちへの敬意は、二人の親への信頼と絆があるから。
 その態度が、実に気持ちいいのです。

 泣きのツボと、胸キュンポイントもしっかり押さえてあるので、こたえられませんでした。
 自転車に二人乗りした時、急ブレーキで海が俊の背中につんのめったりとかw
 二人の告白シーンは、固唾を飲んで見守りました。 映画館は真っ暗なので、遠慮なく泣けました。

 ジブリ映画といえば、強く優しいヒロインが思い浮かびますが、りりしい少年の系譜も忘れてはなりません。
 少年はかくあるべき!という理想像が、脚本担当の宮崎駿さんにあって、それは俊にも受け継がれています。
 原作の軟弱さは微塵もありませんでした。 海でなくても惚れるわ、ポッ。

 まっすぐでひたむきな海と、誇り高い俊。
 初々しい二人の恋は、どこまでも純粋で、清々しかったです。

 カルチェラタンに生息している男どもは、馬鹿で硬派。
 思春期の不安なんかポイして、哲学や数学、文学や天文学という遊びに夢中です。
(ゴミだらけの魔窟で、宮沢賢治の詩を朗読するアホらしさw)
 そこへ女子がなだれ込んで、校舎存続活動は、和気あいあいの大騒動へと発展します。
 どの子も皆、やりたいことをやってるから楽しそう。
 学生時代の時間と若さは、好きなことをする為に使わないとね。


 たまたま一緒に観に行った母も、
「みんなでおいしいものを食べた時みたいに、やさしい気持ちになる映画」
だと言ってました。

 当時の生活を忠実に再現していたのも、母には嬉しかったようです。
(母は、海や俊と同世代)

 制服のスカートを布団で寝押ししたり、舟木一夫や坂元九、かっぽう着に買い物かご、電話はもちろん黒電話。
 新聞のガリ版刷り、懐かしいです。 私の小学生の頃(1980年代)もありました。

 母は、海の使っていた洗濯機を懐かしがっていました。
 祖母が感激していたそうです。 ずっと手で洗っていたのが、機械でグルグル→しぼり機でキュルキュルに進化したんだもの。

 一つだけ、朝食のハムエッグに文句を言っていました。
 卵といえば玉子焼きしか知らなくて、たまーにしか食べられなかったって。
 横浜は都会だからでしょうかね。 (うちが貧乏な田舎とかいうなw)


 シネコンは人でごった返していましたが、映画を観たら、暑さと人込みでイライラしていた嫌な気分が消えました。
 子どもより、大人の方が楽しめる作品かなと思いました。

 

テーマ:映画 - ジャンル:映画

  1. 2011/07/17(日) 23:25:21|
  2. アニメ>ジ.ブ.リ
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