海の底から

備忘録

空色メモリ

空色メモリ空色メモリ
(2009/11/27)
越谷 オサム

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 面白い作家、みっけ!
 声に出して笑いながら読みました。
 久々の当たり、かも。
 
 
 頭の中にくっきりとイメージを描く、詳細な文章。
 それでいて読みやすく、題材も身近でいて奇抜。
「恥ずかしさのあまり幽体離脱してしまう」
とか、つい吹き出してしまうほどピッタリな比喩なんて、そうそう出てきません。
 こういう言い回しを、ウィットに富むって言うのかな。
 さりげなくディティールに凝っていて、薄味であっさりしてるけど、ダシはしっかり効いてますって感じの文章が、好印象でした。

 とてもよい気晴らしになりました。
 …と書くと、ただの暇つぶしに読んだみたいですが、ほめてるのです。
 人の気分を変える力があるのは、すごい筆致なのです。

 特に、読者を楽しませようというサービス精神に貫かれてるのがいい。
 自分の書きたいものだけを書いて、読者ほったらかし…って作家が多い中、この作家はエンターテインメントに徹しているので、安心して最後まで読めました。

 おっと、中身も少し紹介しなくては。

 高校2年生・桶井陸は、デブがもとでふられた過去を持っていた。
 文芸部員で友人のハカセこと河本博士と、さえない高校生活を送っていたが、新入部員の野村さんに、ハカセが恋をして……

 という、非モテ系男子の学園青春小説です。
 この設定で、どこが青春小説か!と突っ込んだ人は、読む価値あり。私もそうでした。
 このタイトルも秀逸。
 メモリーじゃなくて、メモリ…空色のUSBメモリのことです。
 陸がUSBメモリに綴った日記が、この小説…という形式をとっています。
 つまり、男子高校生の心情をのぞき見しているかのような錯覚を起こさせるのです。
 このメモリが、思わぬ騒動を巻き起こすのですが、それは読んでのお楽しみ。
 さて、次の越谷作品はどれにしようかな。
 

テーマ:図書館で借りた本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2012/02/10(金) 00:40:17|
  2. 本&漫画
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