海の底から

備忘録

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

せきれい荘のタマル

せきれい荘のタマルせきれい荘のタマル
(2011/01/18)
越谷 オサム

商品詳細を見る


 私にとって2冊目の越谷作品。
 うさんくさいほど人に善意をバラまく 田丸大介(タマル)が、周囲を巻き込み大騒動を引き起こす、ドタバタコメディタッチの小説です。
 
 
 このタマル、善意の暴走は 悪をも上回る破壊力を持つ、という見本のような男です。
 読んだ直後は、このおせっかい男、正義感ぶっちゃって、無理していい子ぶらなくても…という反感が、なきにしもあらず。
 どこかに実在してそうな リアルな表現はさすがですが、こんなうまくいくはずねーよって、反抗期の中学生みたいな苛立ちも覚えました。

 でも今日、
(タマルはほんとバカだな~)
 …と 思い出し笑いしながら、なんだか一日、気分が良かったのです。
 悪意は憎まれるけど、善意は許されるってことなのかな。

 今作では、カルト宗教が事件に関わってきます。
 1番最後のページを1番最初に見てしまうのは良くないな。 それらの参考文献の名を見つけ、エッと首をかしげました。
 これだけ日本で社会問題化してると、題材として選ぶのは難しいでしょう。 問題の複雑さゆえ、扱いにくいテーマですし。
 ですがそこは、力量のある作者のこと、笑えて ほろりとさせるエンターテインメント作品に仕上がっています。
 面白さを求めないで、何が小説ですか…って野村さん(by『空色メモリ』)も言ってたもんね。

 そういや『空色メモリ』とは ガラッと印象が変わりました。 文体もかっちりとして、落ち着いた感じ。
 登場人物が、高校生から 大学生に変わったからでしょう。


 物語は、タマルに振り回される 石黒寿史のぼやきから始まります。
 おせっかい男・タマルは、寿史の大学の先輩で、アパート・せきれい荘のお隣さん。
 おかげで寿史は、タマルに 可愛がられる羽目に陥り、シャレにならない大失敗を 幾度となく繰り返されます。
 しかも、寿史が密かに想いを寄せる女の子に、タマルが惚れてしまい……。

 とまあ、こんな感じで 寿史のシビアな大学生活が綴られておりますw
 飲み会の会話や、サークル内の人間関係、淡い恋模様など、人と人とのコミュニケーションが濃密で、楽しそうだなあ。
 川辺を早朝ジョギングとか、青臭い爽やさを押し付けるタマルのバカっぷり、嫌いじゃないです。
 他人のことでとことん一生懸命になれるタマルって、実はカッコいい奴なんです。

 もうすぐ大学生になる子たちが読むのに 最適な一冊ではないかと思われます。
 新一年生の皆さん、くれぐれも、怪しげなサークルの誘いに乗ってはいけませんよ。
 

テーマ:図書館で借りた本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2012/02/15(水) 23:43:21|
  2. 本&漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<年の取り方 | ホーム | 雨のち晴れ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://umi88.blog54.fc2.com/tb.php/1355-49adc78c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

藍田海

Author:藍田海
・ Twitter

最近の記事

カテゴリー

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。