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(2004/12/21)
越谷 オサム

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 越谷作品3冊目にして ようやく彼のデビュー作を手にしました。
 日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞 受賞作!
 …だそうです。
 へえ~、すごい賞を取った人だったのね。知らなかった(^^ゞ
 
 
 最初は、ギャグマンガ ならぬ ギャグ小説かと思いました。
(紹介文には、 ユーモアホラーの快作 とありました)
 突っ込みたくなるほど ぶっとんだ表現と構成で、吹き出し笑いが止まらないの。
 それがこの作家の、読者を楽しませたい という創意工夫なのですよね。

 冒頭は、ひき逃げを目撃したサラリーマンと、ユーレイになった被害者との出会い。
 現実ではまずあり得ませんが、ファンタジーだからアリなんです。

 じゃあ、霊能力もあるのかというと、ないんですよね、これが。
 ユーレイになった亮太は、一部の人を除いて、人の目に見えないし、触ることも出来ません。
 でも全然ユーレイらしくなくて、ドアはちゃんと開けて入るし、ご飯も食べるし、電車タダ乗りしてウキウキするような、人間くさい奴なんです。

 とり憑かれた草野も、明るく憎めない亮太にほだされて、同居生活をするはめに。
 そうして、ひき逃げ犯を追うことになるのですが、それは二の次。
 物語の主題は、生きるとは何か?を 死者が語る という 実に壮大なものなのです。
 …ちょっと大げさかな。
 雄弁な作家ほど、本当に伝えたい大事なことを、簡単に語ります。
 なので、ざっと読んだだけでは、作家の深慮に気づきにくいと思います。
 作品名の由来が さりげなく語られるシーンは、グッときました。
 生きにくい毎日が、ほんのちょっと軽くなる、そんな物語です。




 越谷作品には、センシティブ【sensitive】という言葉が似合う。
 この作家、私と年がひとつ違いだからか、なんとなく思考パターンが似てる。
 社会の性善説を信じてるとことか。
(悪い奴もいるけど、世の中捨てたもんじゃないと思ってる、とかね)

 作中の登場人物の台詞、
「気持ちがささくれ立ってくるような話は、大嫌いですから」
に、思わず相づちを打ってしまった。
 私も、眉根を寄せたくなるような事は、言うのも聞くのもイヤだ。

 第二次ベビーブームで大量生産された子どもたちは、超売り手市場で なんの苦労もせず就職して、バブル崩壊を尻目にのほほんと過ごしてしまった。
 だからかな、考え方が甘っちょろいの。
 でもこの作家の甘い考え、私は好きだ。

 ハッピーエンドで あー面白かった と本を閉じる感覚は、めでたしめでたしで終わる昔話に似てる。
 でも、ありがちな予定調和に陥らないのは、ストーリーと人物に魅力があるから。
 飽きさせない展開にぐいぐい引っ張られて、最後まで楽しめた。
 草野も、亮太も、南も、みんないい奴!!
 

テーマ:図書館で借りた本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2012/02/27(月) 22:35:50|
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