海の底から

備忘録

ジブリの教科書

'13-04-10
〈左から〉
シネマ・コミック1 風の谷のナウシカ (スタジオジブリ/文春文庫 編)
ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ (同上)
作画汗まみれ 改訂最新版      (大塚康生 著)

 ついに出た文春ジブリ文庫、めでたくゲット!
 
 
 「シネマ・コミック」は、映画のフイルムを元に、登場人物の台詞を書き加え、漫画風に読めるようアレンジしたものです。
 よくもまあ、あの雄大な腐海や広大な空でのスペクタクルを、文庫サイズに圧縮しましたね。
 宮崎駿監督作品の魅力は、動かないはずの絵が動く、あの躍動感にあるので、フイルムの切り貼りを買って読む必要はないんです。
 なら何で買ったかって? ジブリを肥やすために決まってるでしょうw
 それに、絵の1枚1枚が良いから、じっくり見たいですもんね。
 これでいつでも好きなシーンを振り返れます。
 ナウシカがメーヴェを駆るところや、髪がふわっとなびくところなど、ビデオが擦り切れそうになるくらいしつこくスロー再生しましたから。懐かしいです。

 **** **** ****
 
 「ジブリの教科書」、一読しました。
 読んでみて、「教科書」とはどういう意味なのか、納得。
 映画『ナウシカ』を観ただけでは知ることができない資料を提示してあるからです。
 でも、こういう設定だから、こんな結末なんだ!と決めつけてはいません。
 映画についてどう感じ、考えるかは、観客に委ねてあります。いわば〝想像するヒント”ですね。

…巨大産業文明が滅んで1000年後。
 腐海という瘴気を発する毒の森と、虫が支配する世界。
 人々は、わずかに残った土地で、かろうじて生き延びていた。
 風の谷で暮らすナウシカは、虫を恐れず、腐海で遊び、動物とも仲良くなれる、不思議な少女だった…

 ↑映画内容、難解です。SFではないし、自然を大切にしよう、なんてエコロジカルな図式でもない。
 当時小学6年生でしたが、全く理解していませんでした。
 でもナウシカの気持ちを追いかけながら見ていたので、疑問は別段気にはなりませんでした。
 しかし、改めて問われると、???な箇所がいっぱいあるなぁ。

 そもそも風使いって何?
 なんで文明が滅んだの?
 ラストで、ナウシカは死んで、生き返ったの?
 映画と原作の漫画、なんで内容が違うの?

 そういったことも、これを読めば、だいたい理解できる仕組みになっています。
 そのために、映画を作ろうとしたいきさつや、制作過程、現場の声、時代の背景、世相を反映した新聞記事など、実に様々な資料を提示してあります。
 宮崎監督が、ナウシカという人物像を生み出すきっかけとなった、ギリシア神話のナウシカアと、虫愛ずる姫君についても書いてあります。
 映画公開前の1983年に行われた、高畑勲×宮崎駿インタビューの再掲載が、1番嬉しく、読み応えがありました。

 映画の『ナウシカ』を観て感動し、漫画の『ナウシカ』を読んで頭を抱え、ナウシカだったらどうするだろうと、今もうんうん唸って考えることがあります。
 考える種を 新たにこの本からもらったので、これからも想像していきたいと思います。

 **** **** ****

 「作画汗まみれ」は、往年の名アニメーターである大塚康生さんが、ご自身の仕事を振り返りながら、アニメーションの魅力、面白さを伝えようとするものです。
 制作現場の過酷な作業には、鬼気迫るものがあります。クリエイター集団が、いかに毎日を真剣勝負で生きているか、思い知らされます。(いつもだらっとアニメ見ててすいません)
 さて、大塚さんといえば、宮崎・高畑作品によく名前が載っている盟友でありますから、ご両人の作品の裏話も読めて、ファンにはお買い得な本です。
 アニメーターを目指す若い人向けに書かれた本でしょうが、アニメ好きにもおすすめの1冊です。
 宮崎駿さんが描いた大塚さんの落書きは必見。いやー、久々に大笑いしました。
 

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2013/04/11(木) 22:33:44|
  2. 本&漫画
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