海の底から

備忘録

雨雲

   「雨雲」

雨雲が近づいてくる
鳥は巣へ帰ろうとしている

両ひざの間に顔をうずめて じっとしていた
堅く結んだ口からは うめき声すらでなかった
垂れこめた雲の下 花咲き乱れる草の上
しめった空気 甘くむせるような香りが漂う

一陣の風が 僕の耳を打つ 行けと叫ぶ
憂うつな心と 重い足をひきずって 立ち上がる
僕は 夕闇を背に 歩き出す
迎える者などいない あの古い家に向かって

雨雲が近づいてくる
鳥は巣へ帰ろうとしている
 
 
 
   「夜」

たとえ海が干上ったとしても あなたの涙はかわかない
日の入りを44回眺めても あなたの心は明るまない

何物にもとらわれない 自由な生と死を願いながら
泣き疲れて眠る あなたのそばで

たった一つの祈りを抱きしめ
僕は 夜を にらむ



   「鏡」

この世には 事物をありのままに写す
真実の鏡があるという
ならば 私を写せ
私の見えすいた嘘をあばけ
私のうぬぼれを打ち砕け
そして 本当の私を 見つけて



   「友人」

私は友がほしいのです
私がだらしなく怠けた時 親身に叱ってくれる人が
正当な批判を与えられる まっすぐな目をした友が

もし真の友に出会えたなら 無価値な日々が たちまち黄金に変わるだろう
花は失った色を取り戻し 太陽の光と生まれた意味を 思い出すだろう
そして 出会えてよかったと 微笑みを浮かべて 私はあなたに告げるだろう

しかしその人と対等につきあいたければ 私自ら そうあらねばならない
理想と夢想を追いかけてばかりの 愚かな私自身が
懲りない ないものねだり だから私に友はいない



 …久々、自作詩でした。
 

テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

  1. 2013/06/17(月) 06:09:16|
  2. 創作
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