海の底から

備忘録

おはなし おはなし

『おはなし おはなし』(河合隼雄 著 朝日文芸文庫)

 昨日は河合隼雄さんのお誕生日でした。 1928年生まれ。
 79年の生涯を駆け足でいってしまったので、著作をちょびちょび集めて読んでいます。

 今作は、新聞に連載されたエッセイです。
 この間 こんなことがあってねぇ…なんて、隼雄おじさんと喫茶店でおしゃべりしている気分になれる 楽しい本です。
 しかし相手はただのおじさんにあらず。
 日本初のユング派分析家資格を得て、若い頃から臨床心理学者として名を馳せ、書いた本はベストセラー入りを果たし、文化庁長官まで務めたものすごい人です。

 なので本の内容は、仕事のことや、児童文学、お好きな音楽の話、ご自身の子ども時代まで、多岐に渡ります。
 へー河合さんもJリーグ見るんだ、とか、マージャン好きなんだ、など、河合ファンにはニヤニヤが止まらない1冊でございます。
 
 
 特に、日本と西洋の文化の違いについて書かれたところが、興味をひきました。(読む日の気分によって違う)

 河合さんは20代の頃、アメリカとドイツで心理学について学んだ経験から、日本人のアイデンティティについて深く考えていたようです。
 たとえば、日本の子どもたちのヴァイオリン演奏をする姿を、「一糸乱れずまったく機械的に無表情」であると書いていました。

西洋のものをいち早く取り入れ、子どもたちでさえ西洋人顔負けの精度でそれをやり遂げるが、それを支える「こころ」の方はさっぱり置き忘れている。というより、「こころ」を排除することによって、精度を高めることに成功している、と言っていいかも知れない。」(P.42より引用)

 これ、ヴァイオリンをサッカーに置き換えたら、昨日の試合にも当てはまるなぁ。
 W杯の前哨戦・コンフェデレーションズカップ、日本代表はブラジル、イタリア、メキシコに全敗しました。 いいとこなし。
 スポーツの「こころ」は、プレーすること。
 つまり、【play】=遊ぶこと ではないでしょうか。
 サッカーの遊び心を忘れて、勝ちにこだわっては、本末転倒。
 日本の選手は、本質を置き忘れてなかったかなぁと、考えています。
 香川はもっと創造性のあるプレーをしてたはず。 ミスを恐れず、自分のアイデアで勝負してほしかったです。

 サッカーって 感情が表に出やすいから、代表の試合では 国民性みたいなものが 露見しちゃうんですよね。
 日本代表を見てると、時々 自分の事のように恥ずかしい、痛々しいプレーをするので、なおさら腹が立つんです。 で、あいつらが頑張って勝利すると、自分の事のように嬉しいんです。
 …なんてことを河合さんに言ったら、なんとおっしゃったでしょう。
「はあはあ、なるほど」とか言って、はぐらかされてしまいそうです。
 

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2013/06/24(月) 23:59:56|
  2. 本&漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<『君.に.届.け』 episode 81 感想 | ホーム | 日本対メキシコ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://umi88.blog54.fc2.com/tb.php/1526-bd474fa0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

藍田海

Author:藍田海
・ Twitter

最近の記事

カテゴリー

ブログ内検索