海の底から

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星月夜の夢がたり

 『星月夜の夢がたり』 光原百合 著 鯰江光二 絵 文藝春秋

 表紙を開いて数ページ読んだら、心の中でファンファーレが鳴り響いて、この本は当たりですよ!おめでとう!という祝福の声が聞こえました。
 これだけピタッと感覚にはまり込む本に巡り合えるのは珍しいのです。

 本の帯には「この世のすべての寂しい魂たちへ」とありました。
 世間から見捨てられ、取り残された、寄る辺なき人々。
 作者は、彼ら・彼女らの傍らにちょこんと座って、その人の孤独な心をじっと見守っている…。
 時に不気味で、シニカルで、悲哀とユーモアがあり、読後は心が温かくなる掌編。 大人のための絵本です。

 いい本を教えてくれて、本当にありがとうです!
 藍田はこれからも、ずーっとAさんのファンです♡
 
 
 32の短編は、昔話に独自の解釈を加えたものや、通りすがりの人を空想で丁寧にスケッチしたもの、日常に潜む非日常、子どもの頃の記憶、など多岐に渡ります。

 まずひとつ紹介するなら、「カエルに変身した体験、及びそれに基づいた対策」。
 ある朝目覚めるとカエルになっていた…というカフカの『変身』を彷彿とさせる話。
 冷静に解決を図ろうと頑張るカエル男はどこかユーモラス。
 サプライズエンディングはほろりと切なくて…うーん、やられました。

 「いつもの二人」は、たった2ページの短編。
 なんてことない夫婦の会話も、空想のスパイスをふりかけるとどうなるか。
 くすっと笑えてほっこりとなる、ひねりのきいた人情話です。

 「かぐや姫の憂い」は、竹取物語を元にしたお話。
 人が地球から月を見るように、天人も月から地球を見ているのかもしれないとの想像は、心の慰めになります。
 きっと月周回衛星かぐや が撮影した“満地球の出”みたいに綺麗なんでしょうね。 

 「アシスタント・サンタ」は今の時期にピッタリ。
 なぜサンタクロースは、一晩で世界中の子どもの元にプレゼントを届けられるのでしょう?
 それはね…。
 感性の鈍い大人に遅疑逡巡させる暇を与えない、壮大なほら話。
 「ほら」は嘘とは違います。 本当かもしれないと信じさせなきゃいけない訳で、私は本当だと思いました。 泣いちゃったもん////

 語りかけることばのひとつひとつが、心のひだを震わせて、なまっていた感覚を蘇らせてゆくようでした。 面白かった!
 

テーマ: - ジャンル:本・雑誌

  1. 2013/12/07(土) 21:15:11|
  2. 本&漫画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

あぐりさんへ!

こんばんはー!! お元気ですか?
あぐりさんが喜んでくれて、私も嬉しいです! やったーばんざーい!!(落ち着け)
思ったことを書き散らすだけですし、絵の良し悪しが分からないので、挿絵については触れてないし、全然ありきたりな記事なんですけど、書いて良かったです。
こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。 では良い夢を!\(*´▽`*)/
 
  1. 2013/12/11(水) 00:18:34 |
  2. URL |
  3. 藍田海 #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは!

藍田さんの読書感想文、いつも楽しく読ませていただいておりましたが
今回はなんと「星月夜の夢がたり」・・・嬉しくてコメントせずにはいられませんでした。
藍田さんの感想に頷きっぱなしで、この本が一層好きになりました。ありがとうございます!


  1. 2013/12/10(火) 20:40:39 |
  2. URL |
  3. あぐり #SjNY5Dlw
  4. [ 編集 ]

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