海の底から

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 宮崎駿作品には「絶対」という言葉が出てこない。
 全作品ををチェックしたわけではないから、絶対とは言い切れないけど、私は聞いた覚えがない。
 「かわいい」「好き」「普通」「~とか」のように、日常会話でよく使われる単語。
 なのに、意識して避けているふしがある。

 宮崎さんは、嘘がきらいなんだと思う。
 この世に絶対なんてない。 そう決めつければ、嘘になってしまう。
 天動説が地動説にとってかわったように、かつての真理は、何度も覆されてきたのだから。

170604-a
「あら、私が嘘ついたことあった?」
「…ない」
「ね?」
(『風の谷のナウシカ』より)

 こんな台詞を作中キャラに言わせるくらい、嘘がきらいなんだと思う。
 代わりに「きっと」という言葉を使う。

170604-b
「またどこかで会える?」
「うん、きっと」
「きっとよ」
「きっと」
(『千と千尋の神隠し』より)

 絶対会えるとは言わない、けれど限りなく肯定に近い。
 きっぱりとした発音に、明るい希望を感じる。

 アニメーションは文字通りの絵空事、全部嘘で出来た作り話だ。
 それでも見ている間だけは、本物であり現実だ。
 そう思えるだけの魅力が、宮崎さんの作品にはある。


「漫画映画は嘘の世界です」
「でも、作り手は、嘘の世界を本物らしくしていく努力が必要なんです」
「嘘だなァ…現実じゃありえないなァ…って、見てる者が知っていながら、でも何か真実があるって心の底の方で感じとれるもの…。そんな漫画映画を作りたいですね、本当に」

(『出発点 〔1979~1996)』 徳間書店 から ―「コナン」を語るー より抜粋〕


 かつてこのように仰っていた宮崎さんは、誠実な人だと思う。


 そんな人が、引退宣言を撤回して、新たに長編映画を作るという。
 引退宣言は嘘じゃなかった。 本当に引退するつもりだった。
 それくらい、心身ともにエネルギーを使い果たして作品を作り続けた。

 だからこそ、新作に挑む宮崎さんを、尊敬しています。 すごい人だと改めて思います。
 …体 大丈夫かな?と不安に思わなくはないけど、楽しみに待ちます。
 いつまでも待っています。
 
  1. 2017/06/05(月) 00:44:28|
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