海の底から

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日めくり万葉集

 NHK教育で放送中の『日めくり万葉集』を、今年からずっと見ています。

 教育テレビで、毎週月曜~金曜、午前5:00~5:05放送中。
(毎週日曜、午前6:00~6:25、1週間分を再放送しています。)

 1日1首の歌を、各界の著名人が、思い入れたっぷりに語ります。
 恋の告白も、亡き人への思いを、旅の歌も、なんでもあるので、うんうん分かるーという歌が、いくつもあります。
 ラブレターを書くのに困ったら、万葉集をめくれば良いでしょう。ここには恋の達人が、たくさんいますから。
 
 
 例えば、新婚間もないのに、夫が流罪となって引き離されてしまった、狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)の歌。

 我が背子が 帰り来まさむ 時のため
       命残さむ 忘れたまふな


        狭野弟上娘子(巻15・3774)

(あなたが帰って来られる時のために、この命を残しておきましょう。お忘れにならないで下さい。)

 ひゃー、あなたのためだけに生きると、言ってるようなものですよ。なんて一途でまっすぐな想い。

 天地(あめつち)の 底ひの裏に 我がごとく
      君に恋ふらむ 人はさねあらじ


        狭野弟上娘子(巻15・3750)

(天地のどこを探しても、私のようにあなたを愛している女は、二人といないでしょう。)

 ほぇー、世界中の誰よりも、私はあなたが好き!ですって。壮大で深遠な歌。果てしない情熱の炎です。

 こんなにも愛おしげに告白されたら、誰だってノックアウト。
 古代人の繊細なことばの感覚には、驚かされっぱなし。
 知識と情報に汚染された現代人には、太刀打ちできない鋭さです。

 昔は今ほど性がタブー視されてなくて、素直で純粋な気持ちを、おおらかに表現しています。
 こそこそ隠す現代人の方が、むしろ変な感じがします。

 ひさかたの 月夜を清み 梅の花
     心開けて 我が思える君


     紀少鹿女郎(きのをしかのいらつめ)(巻8・1661)

(ひさかたの月が清らかなので、夜開く梅の花のように、私も心を開いてあなたを思っています。)

 きゃー、花がほころぶように、自然と心がほころぶんですって。明るい月夜に男の訪れを待つ女性の、幸せな恋の歌です。

 「万葉集には、人間の基本的な価値観が歌われている」と、選者の浅見宣義氏が仰っていました。
 だから、1000年経っても色あせない輝きで、人を魅了するのです。
 

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/06/13(土) 11:10:50|
  2. ことば
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